こんにちは。睦月サラです。
この記事では第231話『奇跡』のネタバレと感想を書きます。
奇跡っていい言葉のイメージだけど、この作品に限っては不穏な意味しかない気がする(笑)
前回のお話では、静が千穂との再会を喜び、無神経なクラスメイトの三口さんらを『ブス』呼ばわりして黙らせました。千穂は、クラスのみんなにまたよろしく、と告げて文化祭に向けてやる気に満ちていた。
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第231話『奇跡』のストーリー
千穂『平気というわけではありませんよ。ただ、無意味なことをしたくないだけです。
うっとうしいだけじゃないですか、下を向いてメソメソするだけじゃ。
言葉と表情の裏を読んでください。そのうえで最も私の傷つかない方法と結果を選び取ること。
それが先生方にできることではないでしょうか。
そろそろいいですか?やることがたくさんあるので。』
市川先生『…わかった、これくらいにしよう。』
千穂『あっ先生。犯人、探してくださいね。きっとその内わかりますよ。
天網恢恢、悪いことはできないものですから。』
にっこりと笑顔を先生に向ける千穂。恐れるものは今更何もないという凄みのある笑顔だ。千穂の以前とは全くちがう様子に市川先生と担任の翠はうろたえている。
そして千穂は部屋を出て行った。
天網恢恢(てんもうかいかい)とは…
天網恢恢疎にして漏らさず。老子の言葉。天道は厳正で悪事をはたらいた者には必ず報いがあるということ
市川先生『大瀬戸先生、どう思いました?』
翠『っ…。らしくないというか…雰囲気が違います…』
市川先生『そうですね。同感です。何も怖いものはないという感じですね。
犯人を見つけたら、彼女はどうする気なんでしょうね。』
翠『優しい子ですし、事件になるようなことはないと思いますが…』
市川先生『…そうは思いたいですが、あの様子…。…責任を感じますね。
…私たちは、学校のため生徒のため、時には思ってもいないきれいごとを説かなければなりません。
ですが、人間の感情として、彼女が報復することを否定できますか?
わたしは、できません。大瀬戸先生はどうですか?個人的に聞きたいだけです。何を言われても咎めませんよ。だから、本音を。』
大瀬戸先生の目つきがすっと変わる。
翠『…どうしても許せない人がいるときに、そういう人に、復讐できる機会・環境・能力が揃うことなんて稀だと思います。
もしそんな奇跡が起きるなら、私なら、きっと復習してしまうし、悪いなんて思わないかもしれません。…その先に何があるのかまでは、わからないですけど。
教師がこんなことを想ってはダメですね。』
市川先生『本音と建て前は別です。珍しくあなたの本音を聞けた気がします。』
市川先生は困ったような、でも翠の本音を聞けてうれしいような微妙な表情を浮かべた。
市川先生『引き続き、調査と近藤のケアをしましょう』
翠『はい。』
….*…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..*…. *…..*….
先生との面談を終えた千穂が廊下を歩いていると、優里亜が待ち伏せていた。
優里亜『近藤さん。』
千穂『藤塚さん。どうしたの?話しかけてくるなんて珍しい。』
優里亜『…ありがとう。あいつを、助けてくれてありがとう。』
千穂は優里亜の言葉に一瞬驚いたが、すぐに冷静さを取り戻し、優里亜を見つめる。
廊下には千穂と優里亜以外誰もいない。
以上
傷だらけの悪魔 第231話『奇跡』の感想
先生として千穂を救えるのは市川先生だけですね。
翠は先輩社員のいじめを経験したことで、決して本心は見せず生徒にはドライすぎる態度で接してきました。
生徒をためを想ってのドライさなのか、自分の立場を危うくさせるのが嫌なのかはちょっと微妙なところですが…。。何もしないことで自分の立ち位置を守りたい、というのもズルイって思っちゃいますけどね。
千穂に『先生、犯人見つけてくださいね』と言った時、翠は何を思ったのでしょうか。過去に翠へ宛てた匿名の手紙があったことを思い出したりもしなかったのでしょうか。
出来れば、翠にもなんでもいいから生徒のために行動してほしいなあって思いますね。
そして優里亜。どうした優里亜。優里亜との会話が明らかになってから感想を書こうと思います。今日はここまで!
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